相毎モコ

400字で書くことを心がけ

230213 ニューヨーク

北海道で8年弱過ごし寒さにはある程度耐性がついているはずなのだが東京には東京なりの寒さがあり、本日は冷たな降雨に見舞われたこともあってお寒う御座いますので、温かい水すなわちお湯を風呂釜に溜めて、それに浸かった。

世間の人々が「ごくらっきゃ」とか言ってこの世の極楽に感じ入っているのを傍で見ていて、何なのだろうこの人たちは。そんなに風呂っていいものだろうか、自分はそこまでいいものだとは思わないのだが。っていうかどちらかといえば嫌いな方だ、この熱い液体に囲まれるというのは苦しいものだ、だって暑いし。

などと子供の時分は思っていたものだが、今はわりとすんなり「ごくらっきゃ」と思う。世間の大人並みに心身を疲弊する、ただのお湯が心身に沁みるように、いつの間にかなっていたようだ。大人の階段を登っていたようだ。

湯につかっていると発汗する。上を向いたら、汗が目に入って眼球が滲みた。人体から零れ出たものなのに、人体に滲みるとは不合理ではないか。なんて雑念が浮かんだがそれは湯気とともにどこかへ消えた。