相毎モコ

400字で書くことを心がけ

ウロコ雲のない世の中で

青い海、白い砂浜、美しいおんなたち。グアムに来ている。仕事である。 朝焼けと夕焼けが美しい。夕方、仕事が一段落してたばこを吸っていたら、空の赤橙紫のグラデーションが沁み沁みと沁み込んで来たのでスピッツのインディーズ曲「夕焼けのような人」の歌…

理不尽さを嫌った僕たち

人が人と関わるということは理不尽さを受け入れるということだが、理不尽さを受け入れるためには制度が必要であり、というのは制度は個人を顧みない機械的な枠組みなので冷酷なものに違いないのだが、この制度の箍を緩めるブームにおいては人はその人を取り…

一般市井のドーピング

科学史をずっと先まで読んだ限りでは、最先端の科学技術が一般庶民の生活感情と遊離するほどまでに進んだ社会は、必ず何らかの形で不幸に見舞われているのだ(旅のラゴス 筒井康隆 新潮文庫 P154)。 筒井康隆「旅のラゴス」を読んでいて、ハハア、と思った…

230213 ニューヨーク

北海道で8年弱過ごし寒さにはある程度耐性がついているはずなのだが東京には東京なりの寒さがあり、本日は冷たな降雨に見舞われたこともあってお寒う御座いますので、温かい水すなわちお湯を風呂釜に溜めて、それに浸かった。 世間の人々が「ごくらっきゃ」…

総括2022~荒川~

予備校に通っていた、愚かなあの頃。今が愚かではないわけではなく、今もまた進歩のないままだろうが、とにかくその時分あたしは地理を学んでいた、履修していた。大学受験に必要な社会系の科目のうち、最も興味関心がわいたのが地理だった。殺し合い、滅し…

バンコクのサンセット、実にグッドね

日々暑くて、最近は夕焼けがよくけぶる気がする。 バンコクの高層オフィスビルの窓から見た夕焼けも、同じようにおぼろだったことを思い出す。湿度が高いと空がにぶっている感じがする。 過日街を歩いていたら、街なかにやたらとタイやインドや韓国や台湾や…

パラドックスなさかなたち

川を眺めていると魚がぱしゃりと跳ねることがあるけれども、これについて魚に言いたいことがある。君は莫迦なの? それとも馬鹿なの? 要するにバカなの? ということがそれだ。 跳ねるとどうなるかというと、地上にいる僕にも見えるわけです。水面下にいた…

靴底の観賞の感傷

普段あまり注意して見ることはないが、靴の裏を眺めるとなんともいえない気持になる。自分の気づかぬうちに、靴が勝手にすり減っているのよね。 地面やなんかに擦れて摩滅していったのだろうけれども、これの意味するところはそのへんの地面には色々な人の靴…

カラフルエロス

アダルトビデオ、いわゆるところのAVを観る機会があり、おとなしく観ていて思うことは、やっぱり興奮するのだなあということで、なんで興奮するのかと考えてみると全裸の女が画面に映っているからであって、じゃあなんで全裸の女を見ると興奮するのかって、…

観た ミッドサマー

昔、ミッドサマーフェアという名の牝馬がいたが、個人的な印象でいうとまことにふざけた馬であった。私が彼女の馬券を買うと全く走らず、買わない時に限って走る、という道化を演じた彼女も今ではすっかり繁殖馬。母ミッドサマーフェア、うーむ、ある意味の…

ザッツザクエスチョン 5000円札で俺困って

いつもなんとなく下を向いて生きているため、落とし物には気がつく方、ともし自己紹介をする機会があれば言ってやりたい。そんな風だから例えば硬貨なんかをよく拾う、100円玉か10円玉が1番多い。といっても、1番多く落ちているのは1円玉なのだが、1円玉を拾…

ニューライフキャットフーズ

色々様々アラカルトな理由から引っ越しをすることになり、次の住まいでは猫がいるのでどうしなければならないかというと、猫に餌、って猫に失礼、お御飯を供えなければならんのだ。誰に。誰にって猫に。 猫のお御飯といえば、かつては魚の骨でもあげておけば…

おいらのこころ

♪おいらの〜、こころよ〜♪音符がつくだけであーこの人は歌を歌っているんだなと分かるから便利なものだが、おいらのこころがどうかしたのか、そこまでは教えてくれないのが剛田武、人呼んでジャイアンだ。 おいらのこころがなんなのだ。悲しいのか、楽しいの…

ゴムの木育て

横から貰ったゴムの木がコンクリート打ちのベランダに置かれているアパートの一室があった。屋根は緑色だ、周りの家々はグレイとかネイビイなのに。私の部屋である、家賃は53000円也。ガスが使えない。ガス屋の親父と契約するタイミングを、完璧に失っている…

バグる味蕾

大きな人、と書いて大人。たまに、洟垂れでもやたらでかい餓鬼あるいは御子息がいたりするが、まあたいていの子供は大人より小さく、大人は子供より大きい。 こういうことを今の子供に言うと、「で?」と言うのだろう。おそらく。やれん。 大人になると味覚…

観た 蝿の王

バラライカ、というワードが頭から離れない、そんな1日だった。ロシアの楽器。昨日、蝿の王を久しぶりに観たのです。U-NEXT。動画配信サービス。夜、ナイフを奪いに襲撃されるところで、なんで無人島なのに真っ暗じゃないのだ、月の光だとしても明るすぎだよ…

井上陽水状態

カウチギャグが終わり、のっけからホーマーが川に落ちて滝つぼにのまれ泉下の人となりかけるシーンがどのエピソードにあったのか、それが全く思い出せずにいる。シンプソンズの話。井上陽水という人は、探しものが見つからないと言って嘆いているのか楽しん…

コアラダイナリヒト

「ええっ、今日の晩飯カレーかよ、俺、今日昼にカレー食っちゃったよ、なあ、カレー、なあ」などと言うセリフがいくらでも思いつくくらい、人っていうのは立て続けに同じ食べ物を食いたくないものらしい。 不便だと思う。牛は牧草しか食べないし、っていうか…

読んだ「カラマーゾフの兄弟」

今 という曲がスピッツにはあるがあれは妙な爽やかさがあって、夏の日の思い切り苦いライムソーダのようなそんな感じね。今 となってはその辺に落ちてるようなおっさんになりつつあるが、自分にも予備校生の時代があった。 その予備校には丹前を着ていない筒…

ショボクレアットバングコックオンザフライデーナイト

だはは、まいっちんぐマチコというアニメが昔あったらしい。輪廻転生、がホントにあるならその頃自分は雀とかアロエだったかもしれない、つまり人間として今のように存在していなかった遠い過去の産物なのだが、見たこともないのにまいっちんぐマチコなる固…

女も男もブーメラン

100時間くらい前、つまり金曜の夜だがウーマンリブを自称する知り合いともつ屋でビールを飲んだ。 彼女と話しているとなにかと、あらゆるおっさんの前時代的な振る舞いとか、ふと女性目線で気づく社会のおかしさなど、そういった話題が出てくる。 そんで、自…

巣食いの書 マーク・トウェイン「人間とはなにか」

スターウォーズが上映中だが、8を見ていないので、9を見てもよいものかと戸惑うこと3週間。自分は4を見てしまった。やはりスターウォーズはマーク・ハミルで、ルーク・スカイウォーカーだ。スターウォーズといえば、アナキン・スカイウォーカーなのではない…

敵のシグナル味方のシグナル

幼児というのは純粋で、無知で、信心深く、ゆえにあほだ。俺にも幼児の時代があった。あほだった。泥水とか口に含んでた。幼児でなくなった今、あほでなくなったのかは知らないが、幼児の俺は通りの信号機を見て、なぜライトの色が変わるのかを疑問に思った…

読んだ マーク・トウェイン「人間とはなにか」

竹橋で降りて、神田の書店に行った。そこはアジア諸国に関する書籍を専門で扱う書店で、会社から遠いが、タイ王国のある目録がそこにしかなかったから行った。細い路地裏に入ると、道道で老人がスツールに座っている。その絵にはキャンバス。絵画をしている…

銭湯に通う

銭湯はパラレルワールドだと思う。部屋にいる日がどのくらいあるか不明だ、という理由でガス(プロパン)の契約をケチった結果、銭湯通いをしている。 夏の間はよかった。越してきた時期が初夏だったこともあり、水を浴びるだけで済む。しかし、あほだった。そ…

読んだ チャペック「山椒魚戦争」

チャペックの「山椒魚戦争」を読んだ。チャペックはチェコのSF作家なんだそうだが、それ以上のことは知らない。内容はよくある話で、人間が人間のために利用していたモノが、気づいたら人間の存亡を左右する脅威になっちゃってました。。。。というもの。 拡…

はまることなかれ

会社というところでは、「君は近いうち何をしたいんだね」「そうっすねー、お遍路あるいは稲刈りとか、そんなんですかねー」「いや、私生活もいいがここは会社だ、そして職場だ。この組織の中でしたいことはあるのかね、ということを私は聞きたいんだがね」…

一切衆生の肝っ玉

「肝っ玉」という言葉を使うことはあまりないが、過日、LINEでやり取りをしていて使いたいな、と思うことがあった。「きもった」と打って出てきた「肝っ玉」の他に検索候補として現れたのが、「肝っ玉母さん」だ。肝っ玉母さんというワードがあることは知っ…

憧憬のヤクーツク

闖入者の発生。住んでいるアパートに小さなゴキブリが出るようになってしまった。 悲しいことである。と、悲しむのに違和感があるというのは、そも、人間とゴキブリ、どっちが先に住んでいたのか、ということが引っかかるからだ。多分、ゴキブリである。とい…

みんなカッコーなのよ

かっこう、かっこう、ひびくよ。 なんてな唱歌を小学校の時分に歌わされたが、かっこう、やつらは非常に狡猾だ。 かっこうは托卵、自分の卵を他の鳥に託してしまう鳥であって、託すだけならまだしも、託し先に既に産んであった卵を巣から落として、自分の卵…