相毎モコ

400字で書くことを心がけ

カラフルエロス

アダルトビデオ、いわゆるところのAVを観る機会があり、おとなしく観ていて思うことは、やっぱり興奮するのだなあということで、なんで興奮するのかと考えてみると全裸の女が画面に映っているからであって、じゃあなんで全裸の女を見ると興奮するのかって、それは謎だ。この謎はいまだ解明されていないようで、ジャレドダイヤモンドというおっさんが「男性側を家庭(最小の共同体)に帰属させ、家庭の安定を図る目的がある」みたいなことを書いていたのがヒントになるような気がするが、要するにまだ判明していない。なので、謎は謎のままだ。

アダルトビデオを観ていて思ったことがもう一つある。僕らはいったい何を見てこんなに興奮しているのだろう、ということね。いやあんた女の裸見ているんでしょう、っていう人がいるだろう、寝言を言うなと。僕らはアダルトビデオを見ている時、僕らは確かに女の裸を見ているのだけど、映っているものがなんであれ、僕らが実際に見ているのは色のついた点々の集まりだ。色のついた点々の羅列がたまたま、いえたまたまではなく意図的に整列されているのだけどその色の群れが、女の裸に見えるだけであって、実際に「女の裸」「裸の女」を見ているわけではない。画素っちゅうか、カラーバーっちゅうか、正式名称はわからないが、とにかく男たちはそういうただの色の組み合わせを見てひとり勝手に興奮している。色彩の記号で写生。今日も、今この時間にも数多くの男たち、女たちもいるかもしれないが、カラーフルでつかの間の虚構のエロスに夢中になっている。

虚構のエロスは日進月歩。少子化待ったなしじゃよ。