相毎モコ

400字で書くことを心がけ

読んだ マーク・トウェイン「人間とはなにか」

竹橋で降りて、神田の書店に行った。そこはアジア諸国に関する書籍を専門で扱う書店で、会社から遠いが、タイ王国のある目録がそこにしかなかったから行った。

細い路地裏に入ると、道道で老人がスツールに座っている。その絵にはキャンバス。絵画をしている人々だった。鬱陶しい感じがした。

古本屋のワゴンを眺めていたら、マーク・トウェインの本があった。トムソーヤやらハックルベリーやらは小学校で読んだが、そういった楽観的な著作しか自分は知らなかった。
タイトルは『人間とはなにか』とある。鬱陶しい。

読んだ感想としては、悪書の類だと思う。それはどうでしょう、と思う部分もあるが、人に関する事実をたんたんと話し進める。
人間は蒸気機関と同じような、単なる機械・システムであって、意思は存在しない。尊厳も存在しない。真の自由も創造もない。あるものは模倣と反応だけ。
という話。
読む人によっては、精神がズタズタになるかもしれない。。。
当の著者は、この文章を家族に見せ、泣かせたそうだ。孝行なのか不孝なのか。

悪書というものにもおそらくは色々な悪影響があって、またその基準は人それぞれだろうが、痛みつけ落胆させ絶望に追いやった後で、手を差し伸べる本がある。と思う。
畑は刃物を入れないと、収穫ができないしね。

この本に抗えなければ、死ぬまで生きる甲斐がない。


中野好夫の翻訳は好きだぜ。