相毎モコ

400字で書くことを心がけ

読んだ チャペック「山椒魚戦争」

チャペックの「山椒魚戦争」を読んだ。チャペックはチェコのSF作家なんだそうだが、それ以上のことは知らない。

内容はよくある話で、人間が人間のために利用していたモノが、気づいたら人間の存亡を左右する脅威になっちゃってました。。。。というもの。
拡大してゆく知識と人口(山椒魚口)により、主従関係の姿が鮮明に見える瞬間が山椒魚にやってくるのだ。
主従関係というのは、見方によっては主人が従者であり、従者が主人になる関係だ。賢いぜ、山椒魚

エーアイに支配される、移民に支配される。。。。などと不安を煽る人や論調があるが、とっとと支配されてしまえばいいだけの話だ。
と思わざるを得ないのは、『世界は沈むだろう。滅びるだろう。しかしな、少なくとも、一般に認められた政治的・経済的理由からだ。少なくとも、科学、技術、世論の助けを借りて、人類の叡智を総動員して亡びるのさ。』という298ページの作者の台詞に依る(この小説には作者が堂堂と登場するのだ)。

社会の判断基準を政治、科学、経済でのみ設けるなら、人間みたいな、なにかと対立していないと安心できない不安定な生き物は、早いとこ次のなにかに支配権を渡してしまった方がいい。
いい、っちゅうか、その方が科学的・経済的でないか?

その矛盾を認める程度のおつむがあれば、〇〇至上主義にハシルこともないのに。


バイザウェイ。
この本にはもちろん、山椒魚が沢山登場するが、脳内にイメージされる姿形は、panpanyaの漫画によく出てくる生き物のそれだった。
この小説の漫画化があるとしたら、ぜひpanpanya女史にお願いしたい。