相毎モコ

400字で書くことを心がけ

井上陽水状態

カウチギャグが終わり、のっけからホーマーが川に落ちて滝つぼにのまれ泉下の人となりかけるシーンがどのエピソードにあったのか、それが全く思い出せずにいる。シンプソンズの話。

井上陽水という人は、探しものが見つからないと言って嘆いているのか楽しんでいるのかよく分からないが、こんな時代なので、探しものがあれば手のひらの上で事足りる。やるぜ。

モトローラのスマートホンで「ホーマー 滝 落ちる」と検索してみると、トップに出てきたのは『滝に落ちた象、新たに五頭死亡』と象の事故を伝える朝日新聞の記事。昨年、タイで起きたことらしい。っていうか、今、『さくねん』と打ったら候補に『2019年』と出てきましたよ。すごくないことかもしれないが、すごいと思う、スマートホン。

あたらいのちをなくした象には申し訳ないが、俺はホーマーが滝に落ちるシーンが見たいのだ。そんで検索を「ホーマー 滝 落ちる エピソード」とすると、だああああ、というのは落胆を表す感嘆のことば、『ナイアガラの滝から落ちた男、奇跡的に生還』だの『45mの滝に幼児が転落、深さ60cmの滝つぼに落ちるも奇跡的に助かる』だのといった、やたらと人間は助かる展開が待っていた。なぜ助かるのだ、象は死んでゆくのに。
投身自殺をする人の死因は地面に衝突した時の打撲ではなく落下中のショック死なのだ、という話を聞いたことがあるが、それを考えると滝から落ちて生きているのは、ちょっとおかしいのではないでしょうか。
赤ん坊については頷けないこともない。自分がその時、どういう状況にあるのかをある程度判断できるようにならないと、おそらく恐怖心は生じないだろう。自分とママしかいない世界に生きている赤ん坊は、高いところから落ちるということがどういうことなのか全くわかっていないはずだ、だからこそ生きたまま滝から落下し、滝つぼに潜り、そこからどうしたか知らんが、とりあえず生きていた。

しかし、『ナイアガラの男』はどうだろう、男などと書かれているので赤ん坊ではないし、少年でもなく、老人でもない。おそらくそれなりの年齢の、たぶん30代とかの『男』としかいいようのない人物だと思われる。
彼は30年を生きて、きっと色々なことがあっただろう。高いところから落ちるということが自分にとって何を意味するのか、分からないはずがない。
にも拘らず、彼は奇跡的に生還した。分別がつくだけに弱体化した哀れな大人の男でありながら、生き残ったのだ、はっきり申し上げてものすごいことで、ものすごい人だよあんたは。諸手でクラップし、USA、USAと叫びたい。


ホーマーの滝落ちエピソードは、依然として井上陽水状態にある。見つからないのだ。どのエピソードにあるシーンなのか、だれか知っている人がいたら教えてほしいと切に願う。切願。接眼レンズ。俺は中学の理科で森口という教師に教えられたよ、顕微鏡を使うのなら対物レンズを装着する前に接眼レンズを装着することが肝要だと。でないと、ホコリがレンズに映るから。。。。。

っていうか、接眼レンズって、コンタクトレンズのことじゃないですか。文字通りにゆけば、字義通りにいけば。