相毎モコ

400字で書くことを心がけ

プール反対の小母さん

目をつむると視界が消える。
耳を指でふさぐと血の音のほかに何も聞こえない。
鼻をつまめばにおわず、口を閉じれば無味で、動かなければ感触は不明。

五感には栓をすることができる。ありがたや。
にもかかわらず詮方ないのは、思考とよばれるなにかです。
寝ているしかないのか。しかし寝ていても夢を見て、そこに思考というものがある。
勝手に流れてきて勝手に溜まる。脳みそプールがあるのかしら。ノー。そんなものは無い。無いから困る。無いのに。野に。

心の底からどうしようもない。
どうしようもない岸にどうしようもなく立ってどうしようもない水平線を見やってどうしようもない泥舟としようもないオールをこさえてどうしようもないから乗り込みどうしようもない漕ぎ方でどうしようもなく進みどうしようもない焦燥と渇望と実際の飢餓をどうしようもなく思って、舟は溶けてどうしようもなくなり、本当にどうしようもないから他の生き物に分解される。
舟が溶けないとしたら、そのままどこまでも漕いでいけるとしたら。それこそどうしようもない。彼岸がないのです。
彼岸はないのにそこに向かわなければならない、思考というものがそこに向かってしまう、勝手に流れてくる。

うー!!!!!!mambo!