相毎モコ

400字で書くことを心がけ

ザッツザクエスチョン ベースギター

はるかおす、という人がスピッツの曲に合わせてベースギターを弾いている動画をユーチューブという動画投稿サイトで見ていて思い出した、「ベースはなんだかエロチックじゃないですか?」と聞いてきた女の子のことを。

親しくもなんともない女の子にライブに行こうと誘われ、というと「親しくもない男をライブに誘うことなどないだろう」と言う人があるが、確かにその通りかもしれない。訂正する、ある程度その女の子とは親しかったような気もする。
とにかく、その女の子に誘われてなんかのライブに行った、そんで女の子に聞かれた、「ベースはなんだかエロチックじゃないですか?」と。

 

はるかおすという人のベースの弾きざまを見ていると、確かにそんな気もするなあ、と改めて思う。
なんなんだろうか、この感じは。
「指づかいなのではないかね」と僕はその時女の子に答えた記憶がある。これに対し女の子がなんと反応したかは記憶がない。ただ、指づかいを披露する展開にその後ならなかったことは確かである。
惜しいことをしたなあ、と今は思う。その女の子は今、東京のどっかの役所で働いている。背が高く、牡蠣とかを好む人であった。終末思想のようなものももっていた。安いラブホに詳しい一面もあった。どうしてそういうピンクな展開にならなかったのか。


というのは実際どうでもいいことで、問題はなぜベースはエロチックなのか、ということだ。
今思うに、低音ってズンズン響く、とかいうじゃないですか。あれではないのかな。
心臓とかの内臓、もっといえば子宮とかに響くからなんではないかな。そんな気がしてきた。

「内臓に、てゆーか子宮に響くからではないかな」とあの時答えていたら、どうなっていたことか。きもいやつ、と思われていただろうか。それとも、ええやん、と思われていただろうか。

あの日に戻れないので、真相は永遠にわからない。
永遠といえば、中島らもの小説に「永遠も半ばを過ぎて」という題のものがあるが、あの題は傑作だよねえ。