相毎モコ

400字で書くことを心がけ

みた 映画シャイニング

5年くらい前、どうしてもキムチが必要な時があった。10キロのキムチである。大量のキムチだ。
今も貧乏だが、当時は学生で今より更に貧乏であり、国産のキムチを10キロ買い集めることは不可能だった。
考えあぐねた末、韓国の本場ものをAmazonで発見した。5キロで3000円くらいだったかと思う。
今思えば安すぎて逆に怖いまである。しかしそんなことも言ってられないので、これを買い求めた。その際に登録したものがある。あまぞんぷらいむ、なる会員サービスだ。
資金のほか、時間の制約もあったのだった。あまぞんぷらいむ、に登録すれば早く届けてもらえるサービスがある。登録する以外に選択肢がなかった。


そして今なお私はあまぞんぷらいむ、の会員だ。
何度あちゃーと思ったか分からない。めったにAmazonなど使わないから、年会費の4000円也が惜しい。ふとした時に「ああ、あまぞんぷらいむ辞めなきゃ」と思うことがあるが、3分後とかには忘れている。
やることはすぐにやりなさい、と小学校の教師や両親から教えられたが、申し訳ないことにいまだに守れていない。


多分死ぬまであまぞんぷらいむ、を辞められないだろう。それならいっそのこと、ペッツという外国製のラムネ菓子でも買えるだけ買ってやろうか、Amazonで。
と思い、Amazonを見てみたら驚きました。
映画が観れるんですな、あまぞんぷらいむ。
5年も会員をやっていながら、こんなすばらなサービスがあることを知らずに生きていた。五年間、いったい何をしていたのか。何もしていなかった、強いて言えば、赤羽に住んでみたり酢ラーメンを作れるようになっただけだ。いったい何をしていたのだろう。

これからは毎日あまぞんぷらいむ、の会員権を利用してやろうと思う。
今日はシャイニングというサイコホラーを見た。ジャック・ニコルソンがいかれる映画。ホテルの中を5歳くらいのダニーがおもちゃの車で疾駆するシーンが印象的である。
子供というのは小さい。大人に比べ、ある空間に占める自分の身体の割合が小さいということだ。つまるところ、子供にとって世界は広い。広いから、彼ら彼女らはよく走る。この広さは大人の身体を手に入れてしまった今、もう永久に感じられないことだろう。
日常のなんでもない場面でも、子供はよく走っているが、その気持ちが分かるような気もした。
というか、なんでこんなことをシャイニングで感じなければならないのか。不明である。

一番ちびったのは、All work and no play makes jack a dull boyのシーン。ジャック・ニコルソンの言うとおり、傑作に違いない。