相毎モコ

400字で書くことを心がけ

驚きのネコ ひげ

くすぐったい、という感覚はなんのためにあるのか。これを仕事中もずっと考えていたが全くもって分からない。
痛いとか暑いとか寒いとか、そういう感覚は身体を異常から守るために必要なんだよ、とおばあちゃんは言っていた。確かに必要な感覚だ。蓋し正論である。
しかし、くすぐったい、は必要な感覚なのか。くすぐったいからといって、心身に異常をきたすことがあるのだろうか。逆にくすぐったい、という感覚があるからこそ人は狂う可能性がある気がする。

ところで世の中で一番くすぐったいものといえば、それはもう猫のひげ以外に考えられぬ。
朝、おなかを空かした猫ちゃんが顔を近づけてきて目の前でふにふにするのがルーティーンとなっており、ひげが僕の顔中をなでる。猫のひげは絶妙な硬さと柔らかさを持っており、くすぐったいことおびただしい。
猫にもし人間のような手が生えていたら布団をはがす、という至極真っ当な起こし方ができるだろうに。猫の手もなんたら、という諺があるが、猫に手を貸してあげたいよねえ、と思う毎日の朝ぼらけ。