相毎モコ

400字で書くことを心がけ

ザッツザクエスチョン いきなり 

目下のところ、いきなり!ステーキ、というステーキ店が日本(JPN)ではとんでもない人気を博しているようです。街を歩いたり、漫然と生きてふらこことしていると、行く先々でいきなり!ステーキの看板がアチラ・コチラに見え隠れする。それが昨今の日本(JPN)の風景だ。

それにしても店の名前が特徴的である。
いきなり!ステーキというネーミングはなかなかパンチがあると、別にネーミングの見識もなにもない素人衆の一人である私でさえも思ってしまうほどだ。

このネーミングの肝はやはり、いきなり、にあると全国の素人衆を勝手に代表して主張する。いったいどこに主張するのか。それは不明だが、主張したい。
これがもし、とつぜん!ステーキ、だったとしたらなんだか唐突すぎてなんだかな、という感じだ。同じように、やにわに!ステーキ、途端に!ステーキ、おもむろに!ステーキ、さっそく!ステーキ、たちまち!ステーキ、突如として!ステーキ、瞬時に!ステーキ、ただちに!ステーキ、とっさに!ステーキ、など類語を並べてみてもしっくりこない。
また、やっぱり!ステーキ、まだまだ!ステーキ、これから!ステーキ、あなたも!ステーキ、ちょくちょく!ステーキ、ほんもの!ステーキ、牛です!ステーキ、きめるぜ!ステーキ、明日は明日の!ステーキ、宵越しの!ステーキ、柿食えば鐘が鳴るなり!ステーキ、中国四千年の!ステーキ、など派生系を考えたとしても、やはり座りが悪い。

「ステーキ」の洪水でゲシュタルト崩壊するに至るまで素人衆代表として陰ながら考えてみたが、結果としてはやはり「いきなり!ステーキ」に勝る素敵なネーミングはこれ、皆無であった。なぜ、いきなり!が胸に響き、人々をしてときめかせるのか、その理由は依然として謎である。
この謎が存在するとわかった今、明らかにされない限り仕事中も考えてしまう事態が予見され、となると仕事はうわの空、よってミスorポカを繰り返し最終的に解雇通知を受領する羽目になるので、当案件は早急に解明する必要がございます。
よろしくお願い申しあげます。
しかし、いったいどなたに申し上げるのか。それも謎だが、兎にも角にも重ねてよろしくお願い申しあげます候。