相毎モコ

400字で書くことを心がけ

生きる理由 「を」

ネパール
ヒューストン
ユジノサハリンスク

昨日残した夏休みの宿題の話だが、改めて思えば日本人にとって夏休みなどというものは鼻を垂らしたチビッコにしか与えられておらず、精神年齢は当時のまま変わっていないのに身体だけが変わってしまった救いのない大人、それが私なのであって、鼻も垂らしていないし当たり前に夏休みなどというものが自分には無い。
だから夏休みの宿題なんてものも私には存在せず、昨日自分に課したことはなにだったのだろうか、とむやみに空虚な気持ちにならざるを得ない。

そして、強く思うことがある。
を、から始まる地名なんて果たしてあるのか?!
自分はこのことを一日中オフィスの机で考えた。カロリーメイト(※1)を食べながら。おかげで空調費の試算をする仕事が終わらず、本当に宿題を抱えることになった。

仕事の話はどうでもよいが、ここでまた難しい問題が飛来する。
昨日自分は「ヲンバットしか思いつかない」と言った。これは動物のウォンバット(※2写真参照)が苦し紛れに脳みそからひり出てきたのだが、よく考えればウォンバットのはじめの文字はウだ。
「を」と「うぉ」、確かに発音はよく似ている。実際口にしてみて判別できる日本人は、そういないだろう。だったら、いいじゃん、どっちでもいいじゃん。

だめである。
だめである、って日本語もなにかおかしいが、だめなものはだめだ(※3)。
「うぉ」で「を」を代用できてしまうとしたら、「を」の立場や存在意義がなくなってしまうじゃないか。だが、そんなものはなくていい、という人も居るだろう。そこまでイニシャルに使われない文字のことなんて知ったことではないと。

彼らの言い分は一理ある。
なんといっても、「ん」にすら負けているのだ。ンジャメナ(※4)という誰もが中学生の頃に覚えるであろう地名によって。
不憫じゃないか、「を」が。
いじらしいじゃないか、「を」が。
しりとりで「ん」は答えられるが、もし「阿部サダヲ」なんて言われた日には答えられないに違いない。

だから、私は夏休みの宿題などとたわけた鼻たれのようなことは言わず、一生の宿題として「を」からはじまる地名を見つけだしたい(※5)。

ウェブ検索は使わない。
見つけてしまいそうだからだ。

※1・・フルーツ味。この味は賛否が分かれるが一番好きだ
※2・・f:id:jusdayo:20190806221258j:plain
右がウォンバット

※3・・「だめなものはだめだ」という躾言葉を両親が言うことがあったが、なかなか理不尽な言葉だと28にして思う
※4・・チャド共和国の首都
※5・・勝手なイメージとしてはアフリカにあると思われる